彼と結婚すると思ってた|突然の別れは「嫌いになったわけじゃない」と…
いつか一緒に住もうという言葉を信じていたが、控えめにしていた
40代の専業主婦です。現在の主人と結婚して10年以上経ちますが、主人の前に付き合っていた彼氏とも本気で結婚を考えていました。当時のお互いの年齢は同い年で26歳。友達の紹介で知り合いました。
トータルで2年ぐらいの付き合いでした。同じ市内に住んでいたので、一週間に2度ほどは会うことができました。彼はいろんな美味しいお店を知っていて、彼が発掘した居酒屋やコーヒーが美味しいお店などに連れて行ってもらうことがとても楽しみでした。
性格的には少し自分本位で、理想を熱く語るタイプの人でした。まだ若かった私はそんな彼の話に熱心に耳を傾けていました。しばらくお互いが実家暮らしだったのですが、彼の方が先に一人暮らしを始めることになりました。「いつか一緒に住もうね」という言葉を信じて、一緒に家具や家電を選びに行きました。
「カーテンはどの色がいい?」と聞いてはくれるのですが、まだ私が一緒に住むわけではないのでここで自分の好みを押し付けてはいけないと思っていました。なるべく彼が好みの家具・家電を尊重してもらい、意見を聞かれた時だけ少しだけ自分の好みを伝えたりしました。
彼の家に少しづつ物を持ち込んだり、料理も覚えたが…
彼が一人暮らしを始めてから会う頻度がより多くなりました。日用品の細々した物の準備は疎く、私が100円ショップで必要な物を買い集めたり、実家で使っていない調理器具などを彼の家に持ち込んで少しずつ種類を増やしていきました。
それまで料理はしたことはなかったのですが、一人暮らしを始めたことで外食の回数が減り、少しでもお金の節約になればと一生懸命彼のために料理を覚えました。そのための調味料や買い置きの食材なども彼の家に増えていきました。
その日は唐突にやってきました。なんとなく「いつか結婚するんだろうな」と思っていたいただけに、彼からの突然の別れの言葉には心が追いつきませんでした。
「嫌いになったわけじゃない」その一点張りです。今思えば、自分の在り方に強くこだわる彼にとって、私が調理器具や日用品を家に増やしていったことが気に入らなかったのかもしれません。
自分の思うようにしたい、相手のペースになるのが嫌だったんだと思う
些細なことかもしれませんが、自分の生活を侵食されていく感じが嫌だったのだと思います。「これから仕事で大変な時だから」と仕事を言い訳にしていましたが、本当に好きな人であれば別れを決断することはなかったと思います。
彼との別れは私の心に大きな傷を残しました。1年ぐらい引きずっていたと思います。ひたすら仕事に没頭して彼を記憶の中に封印しようと努めました。やっと吹っ切れたかなと思った時に出会ったのが今の主人です。あれから10年以上たった今、不思議なことに大好きだった元彼のフルネームさえ出てきません。それだけ必死で封印してきたのだと思います。
ふと「今頃もう結婚して子供もいるのかな?」と思う時はありますが、それ以上でもそれ以下でもありません。彼に振られたことはとても大きな財産になりました。男性の気質に合わせて、細い心の変動に柔軟であろうとする姿勢が身についたからです。男の人は厄介です。少しの間の悪さ、タイミングのズレでヘソを曲げてしまうことがあります。
また自分のお城を持っているので、そのお城に例え彼女や妻であろうとズカズカと足を踏み入れることは決してしないでおこうと思っています。おかげで今の主人とはとても良好な関係が保たれています。